熱硬化性マトリックスエポキシ樹脂ベースのFRP製ドア
今日は全自動製造プロセスによる熱硬化性マトリックスエポキシ樹脂ベースの、FRP製ドアに関する記事をご紹介します。
Momentive社の本技術が、Anual Society of Plastics Engineers Automotive Composites Conference & Exhibitionという会議で、Most Innovative Composite Partという賞を受賞しました。
このドアPorche 911 GT3などにも適用されているそうです。
High Pressure Resin Transfer Molding(HP-RTM)を用いてわずか2つの部品とインナーフレームでを作製してつくるとのこと。一般的なメタルのドアが15キロ程度であるのと比較し、このFRP製のドアはわずか5.5キロ。そのうち1.5キロが塗装量だというのが驚きです。
マイクロサンドイッチ構造を採用することで座屈強度を上げているようです。
具体的な内容は明らかになっていませんが、注目すべきはClass Aを満たした外観のパネルです。
塗料が大量に使われていることからかなりの厚塗りと推測しますが、いずれにしても外観を克服したというのは特筆すべき点です。
もしかしたら、外観パネルは強化材料の入っていない樹脂単体部品なのかもしれません。
加えて、FRPを外観パネルに用いるには注意が必要です。
特に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)のように、破壊後に壊れた繊維が鋭利物として外側に出てくると、非衝突物に突き刺さるなど、安全性に大きな懸案があります。
このような観点からも、どこにFRPを用いるのか熟考することが今後さらに求められていくに違いありません。