Nordex社とCarbon Rotec社によるFRP製風力発電ブレード開発提携
環境意識の高まりで注目される風力発電。
比較的早い段階からFRPの採用されてきたこの業界ですが、風力発電大手のデンマーク発祥のNordex社がドイツのCarbon Rotech社と提携を延長するというニュースが飛び込んできました。
Nordexはもともと発電部分だけでなくブレードも自前でやっていたようですが、FRPでのブレード成形技術実績をベースにブレードはCarbon Rotecで作るという提携が続いていました。
ここで、提携範囲を広げ、より効率的に高信頼性の風力発電設備を新興国含め世界中に提供していくといっています。
一般的には風力発電設備の製造は中国がその中心地である、というように考えられています。
恐らくはその低価格というのが最大の武器なのだと思います。
中国はさらに自前化を進め、炭素繊維やプリプレグも製造しています。
非常に勢いがありますね。
ただその一方で人件費が上がり始め、価格という意味では少しずつそのメリットが減少していると考えています。
さらに、FRP材料をはじめ設備品質という点でも不安感があります。
このような流れをつかんでNordexが攻勢に回っているのかもしれません。
もちろん、すべて自前というわけには行かないので、開発費を圧縮するためにFRPブレード製造を得意とするCarbon Rotecとの提携関係を深め、
高品質なものを適正価格で提供するということを目指していると推測します。
今後も餅は餅屋という流れが続くものと思われますが、設計、製造、材料といった一連をワンパッケージで作る、という戦略もトータルとしては利益を生み出す体質を作れるのではないか、そう考えています。
目先のコストだけか、歩留りや信頼などの指標まで考慮してのワンパッケージか。
ここは企業の戦略が求められると思います。