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Morgan Advanced Materials社が炭素繊維-チタンハニカム複合材料を発表

2014-11-06

Morgan Advanced Materials社から"炭素繊維-チタンハニカム"の複合材料が発表されました。


MMC(Metal Matrix Composites)やCMC(Ceramics Matrix Composites)といったPMC(Polymer Matrix Composites)以外の材料の躍進は複合材料業界でのトレンドの一つです。

 

カーボンにチタンハニカムを溶接するというある意味かなり贅沢な複合材料ですが、当然ながら耐熱性はPMCの常識を上回る1000℃。

 

具体的な形態について詳細は書かれていないのでよくわかりませんが、カーボンをチタンハニカムに溶接した形態を有しており、航空宇宙領域での、高速航空機(マッハを超える主に戦闘機)の揚力を担うような薄い断面を持つ翼や、エンジン部品のタービン(後ろ部分の部品)などに向いていると述べられています。

軽量化と超耐熱という両方をみたしていると期待されますね。


しかも、チタンとカーボンを溶接しているにもかかわらず、チタン、もしくはカーボン単体よりも高い強度を有するとも書かれています。複合材料固有の特性である、個々の材料が個々の荷重を分散して負担するという特性が発揮されていると考えられます。いずれにしても、穴をあけるリベットなどよりは有利なのは間違いないですね。

溶接にもかなり高度な技術が使われていると想像されます。


Morganというのは、航空宇宙でいうと戦闘機や宇宙船といった領域を得意としているようです。

 

身近なもので、ついついPMCだけを見がちな傾向がありますが、FRPのようなPMCは有機物を用いている時点で耐熱領域はせいぜい200℃までです。


しかし、金属を使う場合よりも軽量化を達成したい、という時には上記のような考えも片隅に入れておくのも一つの選択肢かも知れません。

 

ただし、PMCと異なりCMCやMMCの量産化はなかなか達成できず、唯一今年FAN bladeにCarbon-Titaniumの複合材料をRolls Royceが発表しただけである、ということから技術的ハードルが極めて高いことは予想されます。


日本でも重工系の会社はCMCの研究を盛んに行ってきていますが、まだ市場にはきちんと出てきていませんね。


とはいえ、いつかはこの手の材料が普通に使われる日が来るのかもしれません。

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