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CFRP製車いすを得意とするCarbon Black社

2014-11-12

Carbon Black 社製の"CFRP製車いす"についての技術紹介です。Carbon Black社というのはCFRP製の車いすの設計、製造を得意とする会社です。

Carbon Black社のホームページ: http://www.carbonblacksystem.com

 

CFRPの最大の特徴は何と言ってもその軽さ。

この軽さをダイレクトに感じられるアプリケーションの一つが車いすであることは疑いの余地はありません。


Carbon Black社の特徴は、使用する人に合わせたオーダーメイドで形状はもちろん、材料の選定も行うそうです。実用性もさることながらスタイリングも含めたデザインを重視しているのも興味深いですね。


人が座る椅子部分については部品点数の最小化によって、車輪を含めて8.5キロまで重量を落とし、車輪を含む主な部品は簡単に脱着できる機構となっています。

 

さらに、1つのレバーで両輪の内側をロックすることで、指をはさみこむことを防ぐなどの工夫も施されています。

 

 

車いすは普段乗っている時はもちろん、自動車に乗り込むときなどは畳んで車にのせるなどの作業が必要となります。


この時、車いすに乗っている方は一人で車いすを畳んだり、場合によっては部品を分解するといった行動が必要となります。

 


当然部品の一つ一つが重いと、これらひとつひとつの行動が重労働となってしまうでしょう。

 

このように、人が直接軽量化のメリットを感じられるというのはFRPの特性を活用するという観点で重要です。


自動車や飛行機の燃費という観点から軽量化が必要で、という切り口ももちろんありますが、人が直接触れるもの、持ち上げる必要のあるものなどを軽くすることのほうが、軽量化の恩恵を理解しやすいという意味でエンドユーザーの観点を正しく考慮していると考えることができます。

 

 

ただし最後に一点だけFRPを人の手が直接触れるという所に用いる場合の注意点があります。

 

それは、衝撃吸収性はあまりよくないという事です。

 

密度が低くて剛性が高いので仕方ないのですが、車いすに用いる場合、地面の凹凸由来の衝撃はある程度大きいと考えます。

 

Carbon Black社のホームページには衝撃吸収性とかいてあることから、材料や構造設計の観点から、衝撃を吸収できるような対策を行っているものと考えます。

 

いずれにしても、エンドユーザーに寄り添いながらFRPの活用範囲を広げようというCarbon Black社の商品に好感を持ちました。

 

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