F1 向け FRP 部品製造用Autoclaveの納入
2014-12-15
イギリスのAutoclaveメーカー、AIC(Autoclave & Industrial Controls)が F1 (Formula 1) 向けのAutoclaveを納入したとのことです。
このオートクレーブの特徴は加熱最高温度。
一般的なオートクレーブでは、130?300℃程度の範囲で使うのですが、
このAICのオートクレーブは400℃の高温でも使えるそうです。
最高圧力では7気圧に達することを考えると、装置には極めて高負荷がかかると予想され、このAutoclaveの設計製造には高い技術が必要であったと予想されます。
使える温度範囲を上げたのは使用する材料の耐熱性を上げたためと予想されます。
高耐熱の材料は硬化、成形温度が高くなるためです。
F1を初めとしたスーパースポーツの業界はFRPをかなり早い段階から採用し、
多くのデータを蓄積してきました。
ここでの実績が、先日紹介した燃料電池車、MIRAIへのCFRTP適用にもつながっていると考えられます。
F1用のFRP部品はスペアを含めても数個しか作らないため、寸法公差の入った図面を使って作るのではなく、現物あわせで作っていくとも言われています。
それでも、様々な形状を試行錯誤で作り、それを使ったマシンでのレース結果を踏まえて、部品構造設計を見直す、材料の積層構成を見直すといった様々な試みを経て、FRPというものを徐々に手中に収めていったのだと推測します。
来年、HondaもエンジンメーカーとしてF1に復帰すると宣言しています。
また日本のメーカーがF1の業界でも輝く日々を楽しみにしたいものです。
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