Boeing社による Green Diesel を燃料とした飛行試験
一度下火になった航空業界でのEcoが、Green Dieselという形で再び注目を浴びそうです。
Boeing社が進める、ecoDemonstrator 787 という機体を用いて、15%のGreen Dieselを用いた燃料で飛行試験を行ったと発表がありました。
上記の写真は、Green Dieselを搭載した ecoDemonstrator 787と燃料を充てんしているところの画像です。
(いずれも、Boeing社のホームページからの転載)
Green Dieselは、植物油、食用油の廃油、動物性脂肪などでできているそうです。
B787はご存じのとおり、機体の大部分にFRPを用いた世界に先駆けるFRP製航空機。
かなり問題があったようですが、最終的にはFRPによる軽量化で従来機体と比較し20%の軽量化に成功したといわれています。
以前の記事でも書きましたが、FRP素材としてはTorayがBoeing社からの受注を受けてアメリカでの炭素繊維並びにプリプレグの向上を立ち上げ、
部品製造についてはB787、次機種のB777X向けにFRP部品の製造工場をBoeingのエバレット敷地内に作るなど、Boeingを中心としたFRP熱は冷めることを知りません。
そしてFRPを用いた軽量化の主目的の一つが低燃費化。
これに加えて、燃料の一部をGreen Dieselに置き換えたことでBoeing社としてさらなる環境性能の高さを知ってほしい、という思惑が見え隠れしますね。
さて、航空業界においてGreen Dieselのような燃料は一時期ブームとなり使われていた時期もありました。
しかしながら、高い燃料費がネックとなり、今ではほとんど使われていません。
しかし今回Boeing社が発表した燃料は通常のジェット燃料とほぼ同価格。
さらに、全世界の航空機燃料需要の1%にあたる30億リットルもの生産が可能と言っています。
50?90%もの炭素排出量削減が可能とうたわれるGreen Diesel。
今後浸透していくのかが注目です。