FRP業界での活躍を目指す企業のコンサルティングパートナー

Composite製航空機による 二酸化炭素排出量 低減効果

2015-01-03

FRPが 二酸化炭素排出量 の低減ににどのような効果があるのか。

イギリスのSheffield大学、Cambridge大学、College大学の共同研究により、Comprehensive life cycle assessmentの研究が初めて行われました。

 

結果、航空機の機体を従来のすべてアルミニウム製である場合と比較し、FRPに変更することで15%の 二酸化炭素排出量 低減を実現できる、と発表されています。

 

http://www.sheffield.ac.uk/news/nr/composite-carbon-emissions-boeing-sheffield-university-1.426377

 

まず、ある意味想定通りだった点としては、”航空機の機体製造時の二酸化炭素排出量”という観点では、FRP(主にCFRP)製の場合、アルミニウムで作るよりも約2倍の二酸化炭素排出量があるとのこと。

 

しかし、軽い機体による燃費性能向上によって数回の国際路線飛行によってこの製造時の二酸化炭素排出量の増加分はアルミニウム製の機体を用いて飛行した場合と同等になるとのことです。

 

これらを踏まえて、Comprehensive life cycle assessment を評価すると2050年までに、既存のアルミニウム製機体を使い続ける場合とそれらをFRP製にする場合と比較し、全世界で15%程度の二酸化炭素排出量低減を実現できると述べられています。

(具体的に何%の機体がFRP製になるという想定なのか、機体の何%をFRPにした場合のことを前提としているのか、というところまではホームページ上では述べられていません)

 

いずれにしても、2050年単独でシミュレーションしても、既存のアルミ製機体をそのまま用いるのか、FRP製にするのかで5億トンの二酸化炭素排出量を低減できるという数値がその大きさを物語っていますね。

 

今回ご紹介した研究結果は、FRPが地球環境維持にも効果があるという一例でした。

 

 

ここで、一つだけ気になることについて言及してこの記事を終わりにしたいと思います。

 

よく温室効果ガスの代名詞として語られている 二酸化炭素 。

 

ところが、二酸化炭素自体はそれほど温室効果自体は高くないのです。

 

 

地球温暖化係数であらわされる、その気体の大気中における濃度あたりの温室効果の100年間の強さを比較した地球温暖化係数をみてみると、二酸化炭素が1の場合、メタンは21。フロンガスの一種であるフロン23のトリフルオロメタンにいたっては11700です。

 

ただ、現段階では二酸化炭素が地球温暖化の主原因であることが主流とされていることから二酸化炭素が注目されている、というのが実情のようです。国土交通省のホームページでもこれを支持する内容が載っています。

 

http://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/chishiki_ondanka/p04.html

 

 

少しFRPから離れてしまいました。

 

 

いずれにしても、軽量化による低燃費化が大きいことは疑いのない事実です。

 

安全性の大前提である信頼性に十分考慮しつつ、FRPの活用を広げていくという地道な活動が今後も求められていくと考えます。

 

Copyright(c) 2024 FRP consultant corporation All Rights Reserved.
-->