FRP製の空飛ぶ車 AeroMobile
自動車や飛行機、そしてFRPに関連する仕事をしている人が一度は考える、 空飛ぶ車 。
それをまじめに取り組んでここ2、3年で市販しようとする企業 AeroMobile をご紹介します。
AeroMobile のホームページは以下の所です。
http://www.aeromobil.com/video
上の画像はAeroMobile社のホームページから抜粋したものです(referenced from http://www.aeromobil.com/video)。
左が翼を収納して自動車の状態、右が翼を広げて飛行機の状態になったものです。
恐らく大手自動車メーカーやベンチャー企業が、デッサンや場合によっては試作車を作っているのが空飛ぶ車ですが、 AeroMobile 社ほど市販実現可能範囲にまで作り上げてきた企業は見たことがありません。
AeroMobile はスロベキアを拠点とする会社で、空飛ぶ車は1990年頃から研究開発を続けてきていて、複数の試作機(試作車)を経て今回のものにいたったようです。
AeroMobile 社の設立者の一人であるStefan Kleinという技術者が自身の夢を具現化したようとしたのが原点のようです。技術者の鏡ですね。
もちろん、共同設立者のJuraj Vaculikという方の資金調達のプロがいて成り立っていることも忘れてはいけません。
トップページのビデオを見てもらうと分かると思いますが、
一般道を走る時は2シーターの自動車です。
スペースの問題もあり、リクライニングはできないみたいです。
そしてこのビデオからもホイールがCFRPであることがわかりますね。
スペックによると、基本構造は鋼鉄のフレームで翼、スキンはCFRPであるとのこと。
一般道を走行し、普通の駐車場にも停められると述べられています。
自動車としての性能としては、最高速度は160km/h、燃費が12.5l/km。
寸法は幅が2240mm、長さが6000mm。
自動で翼を広げて飛行機となって幅が8320mmになった後は(全長は不変です)、
最高速度200km/h(最低飛行速度:60km/h)で、
燃料満タンの状態で700kmの飛行が可能。
動力となるエンジンは自動車の時と同じものを用いているため、
燃料はケロシンではなく普通のガソリン。
飛行機の時は後方部についているプロペラで推進します。
2014年10月から飛行試験を開始し、2、3年以内には認定を取得して市販が開始されると述べられています。
そして、最も気になる価格ですがまだ認定を取得する前の段階なので正式発表はされていません。
ホームページ上では、
「概算では、スポーツカー1台とプロペラ機1機の価格を加えたものと同等になると思われます」
とだけ書かれています。
残念ながら庶民が簡単に手に入れられるものではないようです。