医療 製品への応用を狙うFRP
ドイツの半民半官の組織である Fraunhofer Institute for Production Technology が、
FRPを 医療 の分野へ適用拡大を狙っているとのことです。
http://www.ipt.fraunhofer.de/en/Press/Pressreleases/20141024compamed2014.html
強くてしなやかというFRPという特性を生かし、Fraunhofer Institute は既にカテーテルなどへの製品適用を実現しているとのこと。
さらに、幻影像であるアーチファクトが出ないことなどからFRPの適用が急激に進んでいるMRIなど、
後発ながら積極的に民間企業への売り込みを図っているようです。
Fraunhofer Institute が特に力を入れ始めているのは熱可塑性樹脂をベースとした、
リハビリ補助具、インプラント、そして車椅子といった、
一人ひとりへのカスタマイズが必要と考えられる一品物の製品製造工程のようです。
熱可塑性樹脂の特性である、一度賦形したものに再度熱をかけることで、
再度変形ができるということを応用したようです。
また、レーザー放射を用いた接合技術も Fraunhofer Institute の強みの一つです。
有機物同士に限らず、金属のような異種材も含めてレーザーによって強固に接合することが可能とうたっています。
もちろんレーザーヘッドを制御することで複雑形状に対する照射と接合も可能とのこと。
FRPのみでは限界のある製品も多い中、接合は極めて重要な技術の一つであることに疑いはありません。
そしてこのレーザー技術をテーププレイスメントのような自動積層装置にも応用し、
FRP積層工程の自動化にも成功しているようです。
FRPの中で軽量化ではなく
「しなやかさ」
「幻影が出ない」
といった機能性に注目してFRPを医療製品に適用する、
そして熱可塑性樹脂の可逆的な熱変形を応用した製品使用者にカスタマイズした高付加価値製品、
さらには異種材料接合を可能にするレーザー技術を応用したテーププレイスメントなど、
Fraunhofer Institute の戦略はFRPで広がりを見せる新たな領域の一面を表しているような気がします。