CERN ATLAS への CFRP hybrid 構造の Load Bearing 適用
2013年3月に物質の重さを担う素粒子としてその存在が予想されていた ヒッグス粒子 を発見した
CERN (European Organization for Nuclear Research)が所有する粒子加速器 ATLAS 。
※ATLASについては以下のURLをご覧ください。
http://atlas.kek.jp/index.html
この加速器の中にある素粒子検知器の Load Bearing として TEUFELBERGER の T-IGEL and a hybrid CFRP の構造部材が採用されたとのことです。
採用の決め手となったのは、高温領域でアルミよりも線膨張が小さく、さらに軽量であるために放射線の透過性がいい、といった特性だったようです。
今回の Load Bearing は CFRP 単体ではないようですが、
金属との組み合わせにより軽量化と低線膨張を実現したようです。
ATLAS は極めて巨大な粒子加速施設であるため、
Load Bearing には巨大な荷重がかかるだけでなく、
検知精度を高めるために寸法変形を最小限にしたいというニーズにこたえることができている、
と言われています。
この様な 金属/CFRP hybrid の構造というのは、引張や圧縮荷重のかかる、トラス構造、横梁、
さらには自動車や航空機、並びに建築機械のドライブシャフトに適用できると書かれています。
量産化がトレンドのCFRPですが、CFRPの高性能領域への適用はやはり夢があるのも事実であり、
この高性能領域での検討がCFRPに新たな付加価値を見出すきっかけとなる可能性があります。
ATLAS の活躍はもちろん、それを支えるCFRPの Load Bearing がその計測に構造部材として貢献できることを見届けたいですね。