熱可塑性CFRPの JIS 策定
FRPの標準化掌握を狙う日本の動きが活発化してきました。
経済産業省は日本プラスチック工業連盟などと共同で2015年内に、熱可塑性CFRPの成形に関する日本工業規格である JIS を策定するというニュースがありました。
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0820150421abav.html
今後、航空機だけではなく、自動車、産業機械といった幅広い産業での導入が見込まれると予想しており、日本発での国際標準規格であるISOの取得も視野に入れているようです。
熱可塑性FRPといえば上記の日刊工業新聞にも書かれていますが Toyota の MIRAI のスタックフレームに採用されています。
日本の技術を標準にするために規格化を目指すというのは戦略として重要だと思います。
特にISOを取れれば世界的な標準にすることも視野に入れることができます。
ただ1点よくわかっていないのは成形に関する規格はどのようなものを規程するのかということです。
熱可塑性FRPといってもマトリックス樹脂によって軟化温度も変化し、さらに結晶性高分子なのか非晶性高分子なのかによっても成形温度に関する考え方が変化します。
さらに繊維の配向や繊維長さ、繊維の種類等によっても成形圧力が変わるでしょう。
規程をしようとすると非常に細かく中身が膨大か、一般概論に終始する規格の意味を持ちにくい規格になる可能性もあります。
私が航空機業界で工程規格を作成した時はかなり細かく規定をしていました。
細かいパラメータや許容範囲といった定量的なものも書いていたと思います。
規格は品質などの最低ラインを保証するためのものというイメージであるため、ある程度は踏み込んだことを書く必要があると考えています。
この辺りは実際にできた規格を見ながら、
「規格を作るというのはどのようなものなのか」
ということについて勉強してみたいと思います。