FRPマトリックス樹脂の 熱分析 オンラインセミナー
今日は海外で行われる 熱分析 に関するオンラインセミナーをご紹介します。
FRPの中に含まれる強化繊維の賦形と応力伝達、分散の役割を果たすマトリックス樹脂。
このマトリックス樹脂の化学的特性を把握する熱分析技術はFRPに携わる業界の人間にとっては必須の知見です。
とはいえ、FRPのマトリックス樹脂に関連する 熱分析 の知見を得るためのチャンスがなかなか無い、とお思いの方も多いかと思います。
そんな方にとって有益な情報を取得しましたのでご参考までに紹介します。
熱分析装置大手メーカー、 NETZSCH ( ネッチ )がFRPマトリックス樹脂の評価法に絡めた、以下のような評価技術の紹介をするようです。
DSC ( Differential Scanning Calorimeters )
TGA ( Thermogravimetric analysis )
DMA ( dynamic mechanical analysis )
DEA ( dielectric analysis )
TMA ( thermomechanical analysis )
LFA ( light flash analysis )
以下がオンラインセミナーの情報です。
今回開催される3つあるうち一つはドイツ語であるため、
ドイツ語に自信のある方を除いてはお勧めできませんが、
それ以外は英語で話を聴けるようです。
開催時間も日本時間で16時と24時であるため、不可能な時間ではない、と思います。
(24時から25時はかなり厳しいかもしれませんが)
登録を行うと、登録したメールアドレスにセミナーへの参加方法がかかれたものが送られてきますので、
当日は指示に従ってセミナーを受ける形になると思います。
私も時間が合うようであればこのセミナーは聴いてみるつもりで、既に登録を行いました。
今回のセミナーの中で特に聞いておくべきことは、
「熱分析の技術を、FRPの品質管理と成形パラメータ検討にどのように応用するのか」
という点であると考えます。
熱分析応用技術として、特に熱硬化性FRPでは材料の管理への応用が重要です。
熱硬化性FRPのマトリックス樹脂は活性基を有するモノマーやオリゴマーといった低分子が存在しているため、極低温状態であっても絶対零度である-273.15℃より高い温度であれば速度の差はあれ硬化反応や、活性基の失活(材料劣化につながる副反応の一種)につながります。
この状態を評価するのには熱分析が欠かせません。
物理特性である化学物質の状態変化を把握することは、熱分析の得意分野だからです。
また、高温状態での粘度変化を把握することは、温度プログラム、加圧プログラム検討においては必須です。
どのくらいの粘度状態の時に加圧を行えばいいのか、粘度がどの程度までに上がった時に脱型が可能になるのか。
これは熱硬化、熱可塑に関わらず重要な視点です。
このような検討において上述した熱分析技術をどのように応用していくのか。
そのような観点を持ちながら上述したセミナーを聴講すれば、
より多くの情報が得られるかもしれません。
ご参考になれば幸いです。