FRP業界での活躍を目指す企業のコンサルティングパートナー

栃木県のFRP関連企業 Vol.109

2018-12-03

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

FRP関連の最新情報を効率よく入手できるメールマガジン

FRPのプロが注目する「業界最新ニュース」Vol.109 2018/12/3

(隔週月曜日発行)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

※このメールマガジンは送付を同意された方のみにお送りしています。

ご不要の場合は、このメールの末尾にて、読者登録変更・解除が可能です。

<目次> ━━━━━━━━━━━━━━━━

・「FRP業界最新ニュース」

・お知らせ

・編集後記

<今週の「FRP業界最新ニュース」> ━━━━━━━━━━━━━━━━

今日の「FRP業界最新ニュース」では、

「 栃木県のFRP関連企業 」

ということについて述べてみたいと思います。

先日、所用で国際航空宇宙展に行ってきました。
展示を見るというよりは、個別に打ち合わせをしたい方がこの会場にいらっしゃるということで、
その打ち合わせを目的に訪問したという感じです。

打ち合わせまでに少し時間があったため、
会場を少し見ていたのですが、偶然栃木県のブースを発見。

弊社は栃木県庁と取引があるため、立ち寄らせていただきました。

すると、偶然にも私の知っている県庁の方がいらっしゃったためお話をしていたところ、
FRPに関連する企業の出展もあるので見ていってほしいということで紹介いただきました。

今日はこの時にご紹介いただいた企業について書いてみたいと思います。

1. エーシーエム栃木株式会社

「航空機用の複合材部品製造」が主要製品という形で出展していました。

会社のURLは以下で見ることができます。

http://acm-tochigi.co.jp/

この企業は株式会社 SUBARU 航空宇宙カンパニー、村田発条株式会社の共同出資会社としてスタートした企業で、
航空機向け複合材料(主にFRP)の成形加工、冶工具の設計・加工等を主力事業として、
1992年に始まった企業とのこと。

B767/B777の翼胴フェアリングに加え、近年もB787/B777X等の部品製作を行っているようです。
当然ながら航空宇宙系の品質保証マネジメント関連である JIS Q 9100を有し、
複合材料とNDTのNadcapも持っているとのこと。

CATIA(V5)、NESTING SYSTEM等を有し、クリーンルーム、裁断機、オートクレーブ、NC(3軸、4軸、5軸)、
塗装ブース、超音波探傷機、引張五r試験機、三次元測定機やDSC、TMA、HPLC等の分析機器も有しています。

航空機業界の技術を支える典型的な企業ですね。

試作メーカーと大きく異なるのは検査、分析機器の充実さでしょう。
この辺りは今後、FRP業界の常識としてより広く浸透していくことを期待したいところです。

FRPの成形加工はもちろんですが、
特に寸法検査と非破壊検査をやりたい、といった時にはこのような企業の協力が必要になるでしょう。

2. 亀田産業株式会社

ハニカムコアの加工を得意とする企業です。

こちらもハニカム関連でSUBARU関連のBoeingやAirbusのハニカムコア加工を受注している一方、
事業としては縫製品加工や家具販売や修理を手掛けるなど、
様々な事にトライしている企業のようです。

https://kamedasangyo.co.jp/

航空機で事業をしているため、JIS Q 9100、Nadcap等を有していますね。

展示していたのは NOMEX(R)ハニカム(アラミド)とGF/PF(フェノール:こちらは外観上の推測です)のハニカムと、
その成形、加工品でした。

ハニカムを使うにあたってどうしても避けられないのがスキン材との接着。

この辺りも得意にしています、とのことでした。

ハニカムをコア材にした材料は今、内装材として非常にニーズが高まっています。

特にガラスを強化剤としたもの、熱可塑性樹脂製のものなどのニーズが高いです。
この辺りは過去に以下の所でも述べたことがあります。

* 鉄道車両 の構造部材、内装材で存在感を高める 3A Composites
http://urx2.nu/O6J8

* PP Honeycomb のライセンス製造を行う ThermHex
http://urx2.nu/O6Je

ハニカムは加工はもちろん、成形にもノウハウが必要です。

実際この企業は「ハニカムコアチャンファマシン」という、
ハニカムをチャンファー加工するための専用設備も有しているようです。

使い方によっては大きな軽量化、断熱化、減衰といった特性を発現する可能性のあるハニカム。

もし、アプリケーションとして検討しているのであれば、
このような経験ある企業に相談するのも一案です。

3. 株式会社テツカクリエート

この企業は加工を特に強みとしています。
FRPの加工も得意としており、
SUBARU 航空宇宙カンパニー、JAXA等の仕事も請け負っているようです。

Nadcapの複合材料の認証も取得。JIS Q 9100も持っています。

http://www.tetsuka-create.co.jp/

加工についてはフライスやマシニングセンターに加え、
ウォータージェットまで持っています。

成形にも対応できるようで裁断機、オートクレーブも有しているとのこと。

各種試験片の加工等を得意にしている印象でした。

FRPの加工できるメーカーは少なくはありませんが、
金属だけやってきた企業だと嫌がられるケースもあります。
(加工機に対する粉塵による汚染などのため)

また本当に加工精度を追い求めようとすると、
FRP加工にはそれなりのノウハウが必要。

特にアラミド繊維のような難加工の有機繊維系FRPは加工できるメーカーが限られます。

このような相談もFRPを多く扱う企業であれば対応可能かもしれません。

公的な材料規格がほとんど存在しないFRPを使うためには、
材料試験実施は避けられません。

その試験実施において加工は必須であるためこのような企業を知っておくことは大切なポイントといえるでしょう。

いかがでしたでしょうか。

今日は栃木県にあるFRP関連企業のご紹介をしました。

日本には調べると昔からFRPに関連する仕事をやっている企業は多くあります。

ただその多くがガラスマットを使ったハンドレイアップ、
もしくは航空機業界で仕事をしてきた企業のため、
自社事業の情報発信にあまり力を入れてこなかった、
または顧客要望のため力を入れられなかったというケースがあります。

しかしながら、ハンドレイアップを主体とした昔ながらのFRP関連企業は、
新興国の台頭により国内の企業数が激減したことで国内回帰の流れで単価が上昇している好機であり、
航空機業界もコストを重視した上でのFRP使用の適材適所による数の減少といった流れから、
自社の技術を主体とした情報発信からより幅広い業界の顧客へとアプローチする必要性に迫られています。

これまでの顧客との仕事だけではジリ貧になる、またはさらなる成長が見込めない時代へと突入しているのです。

来年以降は世界経済の不透明さが増すというのが多くの専門家の見方となっています。

そのような不透明な時代だからこそ、
技術の強みを中心とした情報発信を積極的に行い、
これまでと異なる層や業界の顧客を獲得すべきなのでしょう。

今後の事業戦略の参考になれば幸いでです。

<お知らせ1> ━━━━━━━━━━━━━━━━

今後の登壇予定のセミナーを以下の通りご紹介させていただきます。
合わせて参加をご検討ください。

– 2019年 2月21日(木)
10:30-16:30

会場:日刊工業新聞社 東京本社 セミナールーム(東京・日本橋)

※材料規格に関する講演を行う予定です。詳細決まり次第再告知します。

<お知らせ2> ━━━━━━━━━━━━━━━━

2019年1月号から、月刊専門誌「機械設計」の連載を担当することになりました。

※「機械設計」のHP
http://pub.nikkan.co.jp/magazine_series/detail/0001

現段階では13回の連載予定なので足かけ1年以上の連載となります。

FRPに関する最重要の基本部分と関連する最新技術動向等をわかりやすく解説していく予定です。

年20回以上の登壇、国内外企業や研究機関へのサポートを通じ、
世界中で不足し、かつ重要と実感しているポイントを述べていきます。

連載が始まりましたら再度告知いたします。
尚、2019年1月号は2018年12月に発売予定です。

<編集後記> ━━━━━━━━━━━━━━━━

昨日はマラソン大会に出ました。

といっても、ファミリー参加なのでマラソンといえないような距離でしたが。

ファミリーだけでも1500人以上いたようで、
それなりに大きな大会でした。

何人か知っている父兄の方もいましたので、

「お互い頑張りましょう」

と挨拶。

はじめて参加しましたが、
結論から言うとかなり楽しかったです。

一応、日常的にジム、水泳、ランニングを行っていたのですが、
やはり怖かったのが「怪我」。

年齢を重ねると頭のイメージと身体の動きがずれるため、
油断していると取り返しのつかない怪我になりますので、
ここだけは注意しました。
まずは怪我無く終わっただけでも満点かな、と思っています。

そして意外だったのは小学2年生の長女のスピード。
安定した走りで最後まで衰えずに完走しました。

今週は学校の持久走大会があるようですので、
応援に行こうと思っています。

尚、この持久走大会では学年で9位以内なら、
子どもの好きなものを食べに行くという景品付きのため、
子供のモチベーションは極めて高いようです。

・ 著書情報━━━━━━━━━━━━━━━━

『CFRP製品設計の前提知識 ?CFRP業界の特殊性を踏まえた重要ポイント?』
http://www.johokiko.co.jp/ebook/BC170601.php

『CFRP ?製品応用・実用化に向けた技術と実際?』(共著)
http://www.johokiko.co.jp/publishing/BC160301.php

・ 読者登録変更・解除について━━━━━━━━━━━━━━━━
このメールマガジンは自社配信システム及び「まぐまぐ」を利用し、
読者登録された方のメールアドレスに自動でお送りしています。
読者登録にお心当たりがない場合や解除したい場合は下記URLにてお願いします。

まぐまぐの配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0001643058.html

==================================
・メルマガ名 FRPのプロが注目する「業界最新ニュース」
・責任者名  FRP consultant 株式会社 代表取締役社長 吉田 州一郎
・責任者メール info@frp-consultant.com
・オフィシャルサイト https://www.frp-consultant.com/
==================================
Copyright (C) 2018 FRP Consultant Corporation All Rights Reserved.

Copyright(c) 2024 FRP consultant corporation All Rights Reserved.
-->