「 機械設計 」連載 第十八回 製品品質に影響を与える 熱硬化FRP材料状態 を丸裸にする技術とは?
( The image above is referred from https://pub.nikkan.co.jp/magazines/detail/00000948)
連載開始に関するお知らせについてはこちらをご覧ください。
日刊工業新聞社が発行する月刊誌、「 機械設計 」において
「これからの設計に必須のFRP活用の基礎知識」
という題目での連載の第十八回目です。
連載開始から1年半を超えました。企画の持続性に理解いただいている日刊工業新聞社には感謝しております。
2020年6月号の連載では
製品品質に影響を与える 熱硬化FRP材料状態 を丸裸にする技術とは?
という題目で書いています。
2020年6月号は以下のURLから概要をご覧いただけます。
https://pub.nikkan.co.jp/magazines/detail/00000948
今月の連載では、熱硬化FRP材料状態 の理解を通じた品質管理という切り口から、当該材料の評価管理方法について解説しています。
FRP成形体の外観異常や厚み異常につながる熱硬化性FRP材料の品質異常。
熱硬化性FRP材料の管理について、国内外問わず過去に色々な材料規格(Material Spec)や納入仕様書を観たことがありますが、どれも「目視検査」に関するものや、定性的なものばかりという印象です。
このような定性的な指標は、私から見ると片手落ちの品質要件という判断となります。
熱硬化性FRP材料の状態というのは外観からはわからず、化学分析の観点からアプローチし、その状態を定量的に把握することが不可欠です。
今回の連載では化学分析の中で、熱分析の一つである示差走査熱量計( DSC )を応用した材料の管理方法について解説しています。
さらに熱硬化性の高分子の重合反応(硬化反応)の進行度合いである「硬化度」を、新たな結合の生成によって引き起こされる発熱反応現象を応用して捉える、といった熱硬化性FRP材料の硬化プロセス検証への DSC 応用についても述べています。
上述の評価手法は、以下のような高速硬化を売りにする熱硬化性FRP材料に対する理解の一助になると考えます。
※ 室温保管が可能な 高速硬化型 CFRPプリプレグの実用化研究開発
※ BMW 7 series への 高速硬化CFRP の適用
熱硬化性FRP材料状態の定量的理解をしたい方にとって、ご参考になる内容かと思います。