Quickstep社とVector composite社の協力体制強化
国をまたいでのFRP材料メーカーと成型メーカーの協力体制に関するニュースです。
オーストラリアを拠点に、航空機向けグレードのFRPコンポジットの研究開発で地盤を固めてきたQuickstep社。
2010年にアメリカにある成型メーカーのVector compositeの高速成形プロセスを用いた共同開発で注目されていましたが、今回アメリカにあるQuickstep社の工場などをブランド名残留のままVector compositeに引継ぎ、Quickstep社のアメリカでの販売をより効率的に行っていくというニュースです。
Quickstep社では本件をプレスリリースしています。
材料メーカーと成型メーカーの協力というのは、FRP業界で今後も浸透していくと思っています。
FRPは材料と成形プロセスだけでなく、設計、アプリケーションといったものに対してまで、幅広く結びついている特殊さがあるためです。
今回のQuickstep社とVector compositeについては、Quickstep社にとってはVector compositeの成形技術を導入することで、成形と材料をパッケージとした製品をものにできるだけでなく、成形プロセスを考慮した高度な材料開発が可能となり、Vector compositeにとっては最上位の性能を持つ航空機グレードの材料をラインナップに加え、自社の成形技術で最も利幅の大きい最終製品に参入できる、というメリットがあったのでしょう。
今回の両社合意は、Quicktime社がアメリカでのVector compositeの販売網を使えるというメリットが前面に出ていますが、上述した戦略も見え隠れしています。
もしかすると将来的にはこの2社は一つの会社として再スタートする可能性もありますね。
材料と成形の融合。
一つのトレンドですね。
ここに、部品設計とエンドユーザー視点というのが入ってくると最強なのですが…..。