Exova社とHitachi Rail Europe社の提携更新
日本の技術が世界を圧巻している技術の一つに”鉄道”というものがあります。
そして日本を代表する鉄道車両メーカーであるHitachiが主に耐火性などの評価を行う評価機関であるExova社との提携を更新したとのことです。
イギリスが国を挙げて進めている、Intercity Express Programmeという高速輸送のインフラ構築プロジェクトの一環のようです。
鉄道車両に関しても、軽量化による省エネが重要であり、最近の鉄道車両でもGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)が多く使われるようになってきました。
しかしながら、その欠点はマトリックスが有機物である樹脂、すなわち炭化水素をそベースとした高分子であるということ。
そして、炭化水素の弱点は火です。
もちろん、簡単に火がつくようなものはありませんが、炭化水素という化学構造ゆえ、どうしても炭化が起こって強度が大幅に低下したり、熱分解で有毒ガスの出る可能性があります。
よって、万が一車両の構造材や装飾材に火が燃え移った時に、乗客・乗員の方々に危険があってはいけないので、FRP関連材料の耐火性評価はとても重要な評価のうちの一つとなります。
Hitachiの担当者は、何といっても安全が最も最優先であるという、技術者の鏡のようなことをおっしゃり、Exovaの担当者も、Hitachiは最高水準の安全評価を要求している、という嬉しい言葉。
全世界的に見ても、鉄道をここまで全国に張り巡らせたこと、そして高速鉄道車両の品質の高さや運行の正確さなどは日本が最高レベルにあることは間違いありません。
今後も安全性に十二分に考慮しながら、軽量化、場合によっては機能化を視野にFRPの適用を車両に拡大していくことが予想されます。
電動四輪が注目される今日この頃ですが、やみくもに小さな車両につかうのではなく、まずは既に先行している高速鉄道車両、一般の鉄道車両でFRPの適用を拡大させ、その中で出てくる課題を抽出しながら、適材適所という形で車両の中でどこにFRPを適用すればいいのかという検討を通して、FRPの採用場所が最適化されということこそ、FRPを適正に使用するために好ましい流れなのかもしれません。