〈2017年11月1日 セミナー 〉FRP製品開発フロー と技術的なポイント
本公演は2017年11月1日に終了いたしました。
聴講者の皆様におきましては、講演中に積極的な質疑をいただきましたこと感謝いたします。
ご参加いただきました方々、ありがとうございました。
2017年11月2日追記
<以下、掲載元内容>
日刊工業新聞社様の依頼で企画した FRP製品開発フローと技術的なポイント という題目のセミナーを開催します。
詳細、申し込みについては以下をご覧ください。
https://corp.nikkan.co.jp/seminars/view/1125
本セミナーでは恐らく多くの方が暗中模索でやっているであろう FRP製品開発フロー というテーマについて、各フローの目的を含めた基本的な解説と技術的要点の肉付けを行っていく内容となっています。
各技術要点については各専門家や書籍、そして具現化するための製品も世の中にありますが、なかなかそれらを活用できていないというのが国内外FRP業界の現状のようです。FRP製品を世に送り出すためにはFRPの特性を踏まえた製品開発フローを基本として、大きな流れを理解することが必要です。
しかし大きな流れ、つまり製品開発フローというのは一つ一つはシンプルである一方、全体を理解するということは国際的な競争が激化する中で製品開発サイクルの短期化を目的に開発期間の短縮という命題に対するウェイトが高く、細分化と分業化の進んだ近年の製造業にとって容易なことではないようです。
そこで本セミナーではFRP製品開発フロー全体を見渡し、さらに各フローステップにおける概要と目的に加え、技術的な要点を補てんすることで一連の開発フローを理解することを目的としており、セミナーの総括としてFRP製品の研究開発成功のキーとなる設計者像に迫ります。そのため、各種技術的な専門家はもちろん、研究開発フロー全体を統括するマネジメント層にとっても有意義な内容となっています。
FRP業界での更なる活躍や新規参入を目指す企業の方々にとって参考になれば幸いです。
セミナー開催概要
申し込みや詳細は以下のURLをご覧ください。
https://corp.nikkan.co.jp/seminars/view/1125
日時:
2017年11月 1日(水)
13:00?17:00(12:30受付開始)
会場:
日刊工業新聞社 東京本社 セミナールーム
主催:
日刊工業新聞社
お問い合わせ先:
日刊工業新聞社 業務局
イベント事業部 技術セミナー係
TEL: 03-5644-7222
FAX: 03-5644-7215
E-mail : j-seminar@media.nikkan.co.jp
講師より:
軽量、高強度という特性を前面に注目が集まるCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を初めとしたFRP(繊維強化プラスチック)。日本は世界屈指の炭素繊維メーカを抱える国として世界中で認知されています。さらに炭素繊維よりも生産量、適用実績のあるガラス繊維も近年は長繊維化とマトリックス樹脂の改質が進み、従来とは異なり自動車の外板にも使われるケースが出始めており、FRP業界が更なる成長拡大に向かう過渡期にあるといえます。
このように強化繊維の長繊維化、適用範囲の拡大が進んできた場合、それぞれの事態について認識しなくてはいけないのはFRPが特定方向に高い物性を発現する一方で、ある方向の特性は低いという「異方性」が顕著になること、そしてFRP材料に求められる「要件の多様化が進んでいる」ということです。このような状況にあって各社が実績のある均質材の金属を基本とした最適分業化の研究開発体制から抜けられず、FRP材料を用いた製品の研究開発フローを設計できていないというのが実情のようです。研究開発のフローの設計が不十分な状況で「開発期間の短縮と低コスト化」を求められるという極めて厳しい状況の中、結果として不必要な評価や追加評価による研究開発費の増大化、コンセプト設計の不十分さによる高コスト化につながり、最悪の場合開発中止に追い込まれる、という事例が出てきています。このような状況が過渡期を乗り越えるにあたっての障害となっていることはFRP業界でもあまり語られない現場での現実といえます。
本講義では自身も10年以上のFRPの材料、設計、航空型式認定、試験、量産、品質保証という一連業務を経験し、現在は幅広い業界の企業におけるFRP製品の研究開発の国内外最前線で技術指導やフォローを行っている講師が、FRPの製品開発フローの概要とその中における技術の要点について解説を行います。本講義がFRPの特性に配慮した一連の開発フローの理解につながり、自社でのFRP材料を用いた研究開発体制構築や現在進めている開発の課題とその対策検討の一助になれば幸いです。
プログラム
A. FRP材料を用いた製品開発フロー
1.開発フローを構成する10のステップ
2.各ステップにおけるポイントの概要
2-1. コンセプト設計
2-2. 製品要件設定
2-3. 試作図面作成と材料スクリーニング評価
2-4. 試作
2-5. 単体評価
2-6. 試作図面作成→試作→単体評価 を複数サイクル実施
2-7. 材料仕様決定
2-8. 量産図面作成
2-9. 量産図面に基づいた製品製作
2-10.単体/Assy 試験
B. FRP製品開発フローにおける技術的なポイント
1.FRP製品図面
1-1. 図面に書くべきこと、書いてはいけないこと
1-2. FRP製品の寸法検査の難しさ
1-3. FRP製品で重要な非破壊検査
1-4. 引用が必須の材料規格、必要に応じた工程規格
2.工程規格(Process Spec)
2-1. 工程規格の目的
2-2. 工程規格の基本構造
2-3. 工程規格の要件の決め方
2-4. 外部委託で製品製造する場合の工程規格の設定/運用のポイント
3.材料規格(Material Spec)
3-1. 材料規格の目的
3-2. 材料規格の基本構造
3-3. 材料規格の要件の決め方
3-4. 外部委託で製品製造する場合の材料規格の設定/運用のポイント
4.材料評価
4-1. FRP製品開発における材料試験実施目的
4-2. FRPの材料試験の概要
4-3. 静的試験と動的試験の目的
4-4. 材料試験実施のステップ
4-5. 静的試験(引張:T11、T22、T33 せん断:S12、S13 圧縮:C11 曲げ の各試験の試験片図面、試験のポイント等)
4-6. 動的試験(応力比や周波数の設定、制御方法のポイント等)
4-7. 物理特性評価試験(DSC、DMA、線膨張等)
5.CAE評価
5-1. CAEの活用目的
5-2. FRP固有特性を考慮したメッシングのポイント
5-3. CAE実施に必須の材料データ
5-4. CAEの精度を高めるために必須のアプローチ
C. FRP製品開発体制構築に必要な人材
1.分業をやめ司令塔を置く
2.司令塔に求められる姿勢とスキル