炭素繊維やポリ乳酸繊維を用いた 圧電ファブリック
関西大学と帝人はWearable(ウエアラブル)なセンサーやアクチュエーターとして使える 圧電ファブリック を開発した、と発表がありました。
今日はFRP向けの強化繊維の一つである炭素繊維が使われている、ウエアラブルなセンサーの一つである圧電ファブリックについてご紹介します。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20150109/398020/?ST=wearable&P=1
炭素繊維を電極として用い、圧電性のあるポリ乳酸を用いることで、曲げたりのばしたりすることで交流の電位が発生するようにしたのが 圧電ファブリックです。
ポリ乳酸繊維を1対の炭素繊維で挟む構造にしているようです。
交錯点が多い平織構造は単純曲げ、縦糸と横糸が4本飛ばしで交差する朱子織はねじり方向の変位検知に効果があるなど、織り方によって変位検知のやりやすさやりにくさがあるようですね。
圧電ファブリックの服を着た人の動きをロボットで再現させる、圧電ファブリックを重ね合わせたものを変形させてその動きをPC画面上で3D画像にて再現させるなど、なかなか興味深いデモが表示されています。
もちろん、実際の動きに対する応答は決して速いわけではありませんが、
圧電性のポリ乳酸繊維と導電性の炭素繊維を用いて圧電ファブリックを作ろうというその姿勢が興味深いです。
FRPのもっとも初期の積層方法であるハンドレイアップ法。
一般的にはハンドレイアップというとプリプレグを思い浮かべる方が多いようですが、
もともとはドライの繊維に樹脂を刷毛などで含浸させる方法のことを指していました。
この観点を今一度思いだし、ドライの繊維だけで何か付加価値が出せないか。
今回の圧電ファブリックは帝人のそんな思考の跡が見られるような気がします。
FRPを扱いながらも周辺技術への応用方法を常に考えることが付加価値をつけ、
製品の値崩れを防ぐ意味で大切であると考えます。