Teijin のメタ系アラミド繊維 Teijinconex neo の発表とAFRPの加工性
メタ系のアラミド繊維が新たに Teijin から発表になりました。
http://www.teijin.co.jp/news/2015/jbd150115_06.html
ポリアミドの一種で、主鎖に芳香族をもつアラミドは、その極めて優れた耐熱性や強度、弾性率によって、
有機繊維としては特殊用途として幅広く普及してきています。
防弾チョッキなどに使われていることなどは有名ですね。
FRPの世界でもアラミド強化繊維プラスチック(Aramid reinforced plastics:AFRP)として航空宇宙の業界でも使われています。
アラミドには大きく分けてパラ型とメタ型があります。
パラ型というのは、主鎖が直線状のもの、メタ型というのはジグザグ構造のものを言います。
パラ型は高い強度と弾性率であることから、主にFRP、防弾チョッキなどに用いられており、
メタ型は高耐熱性という特性から消防服などに用いられています。
パラ型としては、Toray/Du pontのKevlar、TeijinのTwaronという製品があり、メタ型としては、Toray/Du pontのNomex、TeijinのConexという製品があります。
今回はこのうち、メタ型のアラミド繊維の話です。
プレスリリースによると、Teijinconex neoというのはタイで生産している繊維のブランドのようです。
染色性が良いため、後染めもやりやすいなどの特徴が述べられています。
ここで、AFRPの加工について少しご紹介したいと思います。
AFRPは上記のようなアラミド繊維の特性上、非常に丈夫で「加工が困難である」という大きな欠点があります。
一般的なCFRPの要領で機械加工すると加工面は糸のほつれが大量に生じ、加工面付近では剥離が起こることもしばしばです。
ウォータージェットで加工することも条件精査によってできないわけではないのですが、
砥粒(とりゅう)の減速によって加工面がテーパーとなり、加工精度を確保できません。
耐衝撃性というFRPにとっては極めて重要な性能を有する繊維ですが、
FRPにする際にはこのような欠点も考慮したうえで設計、採用検討することが重要だと思います。