「 機械設計 」連載 第三十五回 FRP設計許容線図の回帰モデルの適合度検定と外れ値の検出
( The image above is referred from https://pub.nikkan.co.jp/magazines/detail/00001070)
連載開始に関するお知らせについてはこちらをご覧ください。
日刊工業新聞社が発行する月刊誌、「 機械設計 」において
「これからの設計に必須のFRP活用の基礎知識」
という題目での連載の第三十五回目です。
2021年12月号の連載では
FRP設計許容線図の回帰モデルの適合度検定と外れ値の検出
という題目で書いています。
2021年12月号は以下のURLから概要をご覧いただけます。
https://pub.nikkan.co.jp/magazines/detail/00001070
FRP動的疲労試験の結果から設計者が得たいのはSN線図です。このSN線図は横軸に疲労破壊サイクル数、縦軸に応力振幅として得られる線図であり、実際のアプリケーションが規定寿命を達成するためには、どのくらいまでの応力水準に抑制する必要があるのか、という設計の基本中の基本業務を支える大変重要なものです。このSN線図は、取得データに対する回帰分析を行うことで得ることができます。
ただしここで設計者の考えるべきことが一つあります。それは「そもそもその回帰分析が妥当なのか」ということに対する客観的な判断です。そこで今回は、回帰パラメータの有意性検定に着眼し、得られた回帰線図が妥当であるか否かをF検定を用いて判断する方法について、その基本理論の解説に加え、実際の模擬データを用いた検定をExcelを用いて行った例を紹介しています。
さらに回帰分析の精度向上に不可欠ともいえる外れ値の検定について、過去の連載でも紹介したスミルノフ・グラブス検定 / Smirnov-Grubbs’ Test(またはグラブス検定)を一例に、FRP動的疲労試験結果の外れ値検定に対して行うため、一定条件で得られたデータの平均値からのずれを判断するというこの検定を、回帰線図からのずれという切り口で行うことを提案しています。手順については模擬データを用いながら解説します。
動的疲労試験結果を基本とした回帰分析をより正確に行うための知見として、是非習得いただきたい内容です。