Russia の Holding Company Composite における炭素繊維の 量産 開始
日本のお家芸である炭素繊維( carbon fiber )の製造にロシアの企業が本格参入です。
ロシアの企業 Holding Company Composite が産業用途に1700トンの炭素繊維製造を開始すると JEC 2015 で発表をしました。
http://www.hccomposite.com/en/press/news/2849/
現段階でも2000トンの製造能力があると述べており、将来的には10000トンの製造を目指すと言っています。
製造する場所は ALABUGA-FIBRE という企業の工場のようです。
まず生産するのは AF42 12K という製品で、2015年中には同繊維の24Kも販売予定とのこと。
航空機はターゲットにされていませんが、風力、自動車、建築、船舶といったところに適用をしていきたいと述べられています。
さて、今回のニュースは日本の炭素繊維メーカーにとっては脅威となる可能性があります。
中国や台湾、ブラジルやオーストラリアなどでも炭素繊維の量産化の話出てきており、世界各国のメーカーが日本の炭素繊維製造という牙城を崩すべく国を挙げて取り組んでいるのが現実です。
日本の繊維メーカーのみならず、日本政府も高い危機感を持っており、
競争力のある炭素繊維製造方法を開発すべく、高額予算をつけて取り組んでいる状態で、
競争はますます激しくなる傾向です。
炭素繊維の物性や品質の高さを売りにして値崩れを防ぐことが重要なのは間違いありませんが、これまでの繊維事業の歴史を見ても後追いで性能や品質が多少劣ったとしても、低価格を武器に後から攻勢をかけられるとビジネス的には極めて厳しい状況となります。
物性や品質の高さ以外にどのような付加価値を見出すのか?
市場ニーズに対して柔軟に対応するにはどうしたらいいのか?
日本の繊維メーカーの方々は上記のような難題に取り組まれていると想像します。
日本が圧巻する炭素繊維業界にも近い将来、嵐が吹き荒れるかもしれません。